MCUを用いた組込みシステムにおけるNANDフラッシュメモリブートの有効性

はじめにNANDフラッシュメモリブートの有効性

近年の組込みシステムでは、低コスト・小型化・低消費電力が強く求められています。特にMCU(マイクロコントローラ)を用いたシステムでは、

  • ブートデバイス
  • アプリケーション/データ保存用ストレージ

をどのように構成するかが、システム全体のコスト・サイズ・消費電力に大きく影響します。

本資料では、NANDフラッシュメモリブートを採用することの有効性について、以下の観点から説明します。

  1. ブートデバイスとストレージデバイスを1個のNANDフラッシュで兼用可能
  2. 低コスト
  3. 基板の実装面積が小さい
  4. 消費電力が少ない

NANDフラッシュメモリブートの有効性①ブートデバイスとストレージデバイスを1個のNANDフラッシュで兼用可能

従来構成の課題

従来のMCUを用いた組込システムでは、以下のような構成が一般的でした。

ブート用NORフラッシュメモリ、ROM、または専用ブートデバイス
データ用NANDフラッシュメモリ、eMMC、SDカードなど

この構成では、

  • 部品点数が増える
  • 配線・実装が複雑になる
  • コストが上昇する

といった課題がありました。特に昨今では、メモリデバイスの価格が高騰しており、入手が困難になってきています。

NANDフラッシュブートの利点

NANDフラッシュブートに対応したMCUを利用すると、

  • ブートローダ
  • ファームウェア
  • アプリケーション
  • ユーザーデータ

を単一のNANDフラッシュメモリ内で管理することが可能となります。

これにより、

  • ブートデバイス用の専用メモリが不要
  • ストレージデバイスと完全に一体化した構成

が実現できます。

さらに、CRAやJC-STAR等のセキュリティ対策でのファームウェア複数管理にも効果を発揮します。

システム構成の簡素化

1個のNANDフラッシュで対応できることで、

  • 部品点数削減
  • BOM(部品表)の簡素化
  • 実装・検査工程の削減

といった開発・量産の両面でのメリットが得られます。

NANDフラッシュメモリブートの有効性②低コスト

NANDフラッシュの価格優位性

NANDフラッシュメモリは、ビット単価が非常に低く、

  • 大容量を安価に実装可能
  • プログラム領域とデータ領域を余裕を持って確保可能

という特徴があります。

NORフラッシュやeMMCと比較しても、容量あたりのコストはNANDフラッシュが最も有利であり、低コストな組込みシステムに適しています。

システム全体コストの低減

NANDフラッシュブートを採用することで、

  • メモリデバイスの削減
  • 電源IC、信号ライン、実装工数の削減

が可能となり、システム全体としてのコスト低減につながります。

NANDフラッシュメモリブートの有効性③基板の実装面積が小さい

部品点数削減による小型化

ブート用デバイスとストレージデバイスを統合できるため、

  • 実装デバイス数が減少
  • 配線数・パターン数が削減

され、基板の実装面積を小さくすることが可能です。

小型・薄型機器への適用

この特性は、

  • 産業用制御機器
  • 民生機器
  • IoTエッジデバイス

など、小型筐体が求められる製品において特に有効です。

NANDフラッシュメモリブートの有効性④消費電力が少ない

デバイス数削減による消費電力低減

使用するメモリデバイスが1個になることで、

  • 待機時消費電力
  • アクセス時消費電力

の双方を低減できます。

MCU+NAND構成の省電力性

MCUとNANDフラッシュの構成は、

  • 必要なときのみアクセス
  • シンプルな電源構成

が可能であり、バッテリー駆動や省電力を重視するシステムに適しています。

NANDフラッシュメモリブートは組込みシステムに有効な方式

MCUを用いた組込みシステムにおいて、NANDフラッシュメモリブートは、

  • ブートデバイスとストレージデバイスを1個のNANDフラッシュで兼用可能
  • 部品点数削減による低コスト化
  • 基板の実装面積を小さくできる
  • 消費電力を低く抑えられる

という点で、コスト・サイズ・消費電力を重視する組込みシステムに非常に有効な方式です。

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