フラッシュメモリの基礎と電源障害に強いファイルシステムの構築

FATファイルシステムの電源障害耐性

では、これまでの経験を実際のFATファイルシステムに適用した場合を説明します。

FAT (File Allocation Table) は、マイクロソフト社の標準ファイルシステムの一つであり、組み込みシステムではたいへん広く使われています。
記憶デバイスの連続した複数のセクタを一つのクラスタとしてとらえ、クラスタ単位でアクセスします。
クラスタそれぞれにユニークな番号が割り振られています。

図5にFATファイルシステムのデータ配置の例を示します。
一つのクラスタに複数のディレクトリエントリが配置されています。
ディレクトリエントリに、ファイル名称、リンク情報 (開始クラスタ番号)、ファイルサイズなどが格納されます。
図5において、\DIR1\FILE1 へのアクセスは 以下の通りです。

  • まずルートディレクトリの領域から DIR1 のディレクトリエントリを探し出します
  • DIR1 ディレクトリエントリに格納されているリンク情報 (#10) に基づき、クラスタ #10 から FILE1 のディレクトリエントリを探し出します
  • FILE1 ディレクトリエントリには、リンク情報として #100 が格納されています。
    クラスタ #100 には、FILE1 のデータの一部が格納されています。
    図5に示している例では、これのほかにもクラスタ #102 にデータが書かれています。
    クラスタ #102 が #100 につながっていることは、FATと呼ばれるテーブルに記録されています。
    FATエントリ #100 には 102 が書かれています。
    この例では、クラスタ #102 以降にデータが存在しないため、ENDマークがFATエントリ #102 に記録されています
図5 FATファイルシステムのデータ配列の例

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